あなたの野鳥撮影におけるレンズ選びをサポート致します

初心者のベストバイレンズ

 

 

野鳥撮影初心者にベストな
超望遠レンズはどれでしょうか?

 

 

野鳥撮影はまず被写体に出会うことからが大変で撮影に至らず一枚も撮らずに帰ることもあり、なかなか撮影技術が向上しません。初心者の方にはとにかく多くの場面に出会い、シャッターを切ることで結果に対して考察することが何より大事です。

 

 

 

中でも最も難しい被写体への接近は、焦点距離は長ければ長いほど楽になり撮影枚数が増えて技術向上が期待できます。逆に短いレンズは表現力が増えるものの撮影機会が極端に減ってしまうので上級者向けのレンズと言えるでしょう。

 

現実の撮影例を考えても、比較的近距離で撮影するチャンスがある小鳥類でさえ『 10m 』に来てくれる回数と『 5m 』の至近距離まで近接できる回数の比率は 10:1 もありません。近接の難しい猛禽類などは更にその確立が下がるので、800mmと400mmの比較で言えばトータルで10〜100倍以上は800mmの方が撮影チャンスが多くなるという事が言えるしょう。

 

野鳥撮影
※巣材を運ぶムシクイ類。近くに造巣していたのか、この時はわずか『 5m 』程度の至近距離での撮影。毎日のように撮影に出かけても、この様な出会いは滅多に無い。

 

 

●●●● トリミングをしないで撮る事の重要性 ●●●●

 

野鳥撮影をはじめるきっかけは人それぞれとは思いますが、多くの方は『 カメラを持って外に出ているときに野鳥に遭遇 』 ⇒ 『 一応撮って見たが、余りにも鳥が小さい 』 ⇒ 『 他の人はどんなレンズで撮っているのか 』というプロセスを経ていて、最初は70-200mmクラスのレンズにテレコンなどを装着した状態で撮ったのではないかと思います。そこから、望遠レンズとしては比較的安価な、300mmF4、或いは400〜500mmクラスのズームレンズを検討されている方も多いのではないでしょうか?

 

上記ムシクイ類のサンプルを見てもおわかりと思いますが、400mm以下では余程の条件が揃わない限り野鳥をしっかり映像にする事はできません。500mmにしてもこれより少し大きく写る程度なので、大きく状況は変わらないでしょう。そこで、撮った画像をトリミングする…という事になるのですがトリミングをするということはどういうことなのか、まとめてみることにします。


トリミングのメリット
”野鳥を大きくする”
トリミングをすることで野鳥を大きくしたイメージにする事ができます。言い換えると、画像内の余計なモノを取り除くことによって 『 野鳥を目立たせる 』 効果があると言えるでしょう。撮影したイメージにおいて、トリミングしたほうが完成度が上がる、伝えたいことがより伝わるようになる…そのような場合は、積極的に選びたい映像処理です。

 

トリミングのデメリット
”画素数の減少”
トリミングをすると当然ながら画素数(解像力)が減少します。気づいていない方も居ると思いますが、ほんの少しトリミングをしただけで画素は大きく失われます。横辺20%をカットしただけで総画素数はおおよそ『 1/3 』近くが失われます。30%の横辺をカットすると総画素数は約『 半分 』にまでなってしまいます。

 

”ノイズが目立つようになる”
トリミングをしても映像全体のノイズ比率は変わらないので、トリミングをして画素数を減らすと相対的にノイズの粒が大きくなり目立ってくるようになります。高感度使用時はその傾向が顕著になりますので、感度を上げれば上げるほどトリミングはできません。逆に言うと、ノイズを目立たせなくする一番の方法はトリミングをしない事と言えるでしょう。
トリミングとノイズの関係

 

”立体感の欠如”
口径の小さい300mmF4、或いは400〜500mmクラスのズームレンズはボケ量が少なく相当近接しない限り立体感のある映像は得られません。もともと立体感に乏しいレンズを使用してトリミングをすると、更に立体感の欠如が助長され『 紙に書いた野鳥を写した 』ような薄っぺらい奥行きの無いイメージになります。背景もボケにくいので煩わしくなり、『 野鳥を目立たせる 』効果が得にくくなります。

 

”被写体のファインダー導入技術が養われない”
短いレンズを使用してトリミングをする事が当たり前になると被写体をファインダーへ導入する技術が全く養われず、いざ近くに野鳥が来たときの対応が全くできなくなります。滅多に無いチャンスを確実にものにするためには普段からトリミングをしないで撮ることを心がけ、さまざまな状況においてサッと撮影態勢に入れるように経験を積むことが不可欠です。

 

”構図調整力が養われない”
いつもトリミングをしていると、撮影後の『 時間に余裕がある中で構図調整をする 』ことが当たり前になり、いざノートリで撮れるチャンスが来たときに瞬時の構図調整ができません。つい慌ててしまうような状況でも、測距点を瞬時に変えたり、横⇒縦位置撮影への変更をスムースに行うためにはやはり普段からトリミングをしないで撮影するよう心がけていないと、多くの場合撮り逃しをしてしまうでしょう。

 

”ピントが合いにくい”
画面全体において野鳥が小さくなればなるほどピント合わせが難しくなります。マニュアルフォーカスはもちろんのこと、高性能なカメラを用いたAF撮影においてもピントを外す確立が格段に跳ね上がります。トリミングをしないで成立する野鳥の大きさで撮れれば、多くのシーンでAFに頼り切った撮影が可能になり、良質なイメージを得る確立が更に上がります。

 

 

 

●●●● フルサイズでトリミングしないイメージを目指そう ●●●●

 

トリミングに頼った撮影はさまざまなデメリットがあるのは上記のとおりで、できる限りトリミングをしないで撮影を続けることが上達の近道です。そして、野鳥の生態を理解し近づく技術を身につけるまでは、まずはAPS-Cサイズセンサーのカメラでトリミングしない撮影を目指しましょう。ただし、最終的にはフルサイズセンサー搭載のカメラでトリミングをしないで撮影することを目指して欲しいと思います。


フルサイズでトリミングをしないとどういうメリットが?
一言で言うと、『 高感度画質 』に尽きます。近年のフルサイズセンサー搭載カメラの高感度画質の向上は目覚ましく、ISO12800などが普通に使えるという機種が次々に発売になっています。

 

感度を上げてシャッタースピードが上げられると、手ブレ・被写体ブレという大きな問題がほとんど解消されます。巨大な三脚やしっかりした雲台を用いてブレに気を付けながら撮影するというスタイルはもはや過去の話で、多少ヤワな足回り(三脚+雲台の俗称)や一脚、または手持ち撮影でも、軽快で速やかに撮影に入れるスタイルが主流になりつつあります。また、そのほうが実際に多くの良質なイメージを生み出せます。

 

EOS 5D Mark3 ISO3200
※餌となる芋虫を枝にたたきつけるムシクイ類。非常に暗い森の中での動きあるシーンで、高感度で無ければ撮影は諦めなければならない状況。また、頻繁に枝込みを移動するので三脚を構えるような余裕は全く無い。高感度 + 手振れ補正の恩恵は絶大である。

 

 

 

●●●● フルサイズ + ノートリで撮れるレンズは? ●●●●

 

これは完全に筆者の経験上だけでのお話ですが、決定的なチャンスを撮影したイメージが100枚あるとすると、90枚は『 EF800mm F5.6L IS 』で撮影したものです。600mm以下のレンズは『 そのレンズで撮る 』というある程度状況が先読みできたり、何度も通ってイメージが固まっていてあえてセレクトする、という状況までもってこれた場合に使用しています。具体的には800mmでは撮れないワイドなイメージなどを狙うときがそうなのですが、バリエーションを増やすのに必要ではあるものの出番は圧倒的に少ないのが実情です。800mmで野鳥が近すぎて困る、という状況は本当に少ないのです。

 

EOS6Dでの野鳥撮影
※木々の木漏れ日がルリビタキ雄を照らす。枝にとまるのは数秒だけなので近づく余裕は無い。フルサイズの立体感と優れた階調が被写体を引き立てる。EOS 6DはAF性能が現行EOSでは一番貧弱だが、ノートリで撮れる大きさなら問題なくしっかり捉えられ800mmレンズの威力はここでも発揮された。

 

 

●●●● 初心者こそ、できるだけ長いレンズを ●●●●

 

話が最初に戻りますが、初心者は経験や野鳥の生態に関する知識が乏しいので、費やしたエネルギーや時間に比例した撮影チャンスが少なく徒労感が漂いがちです。少なくても、とにかく出会った野鳥に関してはできるだけ多くのシーンを撮って何かしらの達成感を得ることと、撮影した内容の検証をして次に繋げることが上達に欠かせない要素であると思います。

 

撮影地が遠かったり、1日中山野を歩いたり、ポイントでずっと待ち続けたりなど、野鳥撮影はとにかく撮影に至るまでの経緯が大変なので、初心者こそできるだけ焦点距離の長いレンズを使うべきでしょう。

 

筆者もメインで使用していますが、現行のレンズで最も長いのは『EF 800mm F5.6L IS』です。蛍石レンズ2枚+UDレンズ1枚+スーパーUDレンズ1枚と他社製品を含む”600mmF4以下のレンズ”と比べても全く比較にならないほど『 圧倒的な光学性能 』を備えていますので、これにAPS-Cのカメラを使用すれば初心者の方でもトリミング無しで多くの撮影チャンスを得ることが出来ます。繰り返しになりますが、トリミングをしないで撮るようになると写真における重要な要素の『 瞬時の構図力 』や『 ファインダーへの導入技術 』が身に付き次第に撮影チャンスに強くなるようになります。そして更に上達して野鳥に近づくことができるようになり、フルサイズのカメラに変更すればF5.6の暗さもISO感度アップで対応できるようになり更に表現力が広がります。フルサイズ+800mmで鳥が近すぎて困るという状況の方が極めて稀ですから、金額を無視すればこれがベストセレクトになります。

 

 

EF800mm F5.6L IS を使うのに特に向いている方

  • 苦労して撮影に出かけるのだから、出かけたら1枚は写真を撮りたい
  • 人が集まる場所で撮影する事が多い
  • ワシ・タカ類やフクロウなどの猛禽類が大好き
  • 短期間で撮影技術を向上させたい

 

EF800mm F5.6L IS の詳細やオススメの購入先に関しては、
当サイト内 キヤノン・大砲レンズ選び 『 EF800mm F5.6L IS 』 編 をご参照ください。

 

 

 

 

また、800mmレンズは中古でも100万円以下で購入できる機会は少なく金銭面ではとても厳しくなります。100万の出費はどうしても無理という方のために、比較的低価格でそれに近いレンズをご紹介します

 

 

<<<< EF 500mm F4L IS+1.4エクステンダーV >>>>
キヤノンの500mmF4ISの初期型は、600mmF4IS初期型よりも絞り解放から高画質で知られ、1.4エクステンダーを挟んでも画質劣化が少なめです。700mmF5.6のレンズとして十分な光学性能があるレンズと言えるでしょう。

 

キヤノン超望遠レンズの中心部チャート

 

 

EF500mmF4LIS は重量も4kg以下と軽量で、担いで歩くには600mmF4LISとは雲泥の差があります。手振れ補正も付いていて、なお且つ新型が発売になったため乗り換える方が手放し、今後しばらくは中古市場に玉数が増えることが見込まれます。玉数が増えると価格が下がり、良質なレンズが選びやすいというユーザーには有利な条件が揃います。新型の方が当然高画質ですし軽量でもありますが、中古品はほぼ出回らない上に金額的には800mmを購入した方が良いレベルまで高くなってしまうので、現状では旧型の方が断然魅力があると言えるでしょう。

 

最後にもうひとつ付け加えるなら、バードウオッチング月刊誌『BIRDER 2012年1月号』のグラビア特集を見ると、プロの野鳥写真家の殆どがこの EF500mmF4LIS を使用しているという『プロも選んで使用している』レンズなのです。

 

 

ニコンレンズのベストバイ

 

ニコンの超望遠レンズ群には現行モデルとして800mmレンズが存在しないため、500mmF4 か 600mmF4 が野鳥撮影に最適な長焦点距離のレンズとして候補になります。それではテレコンを装着した状態の中心部のチャートを見てみましょう。

 

※2012年5月に AF-S 800mm f/5.6E FL ED VR が正式に発売されました。キヤノン同様、最高の光学性能を持っているレンズですので、非常に高額な上に入手困難ですが予約・購入できる方はコチラのほうがオススメです。

 

 

ニコン超望遠レンズの中心部チャート

 

解像力、コントラスト共に AF-S500mm F4G ED VR の方が優れているのがわかります。特筆すべきは新型2倍テレコンのTC-20E3を使用して1段絞った状態の解像力が極めて良好という事です。また、三脚座が前方の位置にある600mmF4に比べ、500mmF4は手前側にあるため重量バランス的にぶれにくいというメリットもあります。

 

ニコンのD800(E)、D4のボディは開放F8でもAFが動作しますので、TC-20E3を使用した1000mmF8の状態でAF使える上に、1段絞ればこれだけの解像力を出せるということになります。F値が11まで上昇してしまいますが、 D800(E) + 500mmF4VR + TC-20E3 はニコンユーザーの野鳥撮影入門者に最良の選択と言えるでしょう。

 

蛍石レンズの採用が無いため、絞り開放の描写性能ではキヤノン製レンズに及ばないニコン製レンズですが、1段絞れば解像力は極めて高い性能があります。F8でAFが使えるボディが存在するのと、テレコンの種類が豊富なことを合わせるとトータルな撮影能力ではキヤノン製品に劣るということはありません。レンズの性能で劣る部分はボディで補えるのがニコンユーザーの利点です。

 

 

AF-S500mm F4G ED VR の詳細やオススメの購入先に関しては、
当サイト内 ニコン・大砲レンズ選び 『 AF-S500mm F4G ED VR 』 編 をご参照ください。

 

 

 

野鳥撮影のカメラ選び

 

野鳥撮影入門者の方には、できるだけ撮影機会を増やすために長いレンズをとご案内してきましたが、一眼レフカメラの初心者の選び方を最後にお話します。カメラ側に求められる重要な要素はAF性能・解像力(画素数)・高感度の対応力です。どんな高解像のレンズでもピントが合わなければ意味が無いですし、野鳥撮影のレンズで解像力が重視されるのは、カメラ側の解像力を踏まえての事ですので当然画素数も多いほうが有利です。また、光量は選べない環境が多いため高感度の対応力も重要でしょう。

 

そして、連写性能に関してはどちらかというと”初心者の方は重視しないほうがよい”部分です。連写性能に頼ると”とりあえず撮れ”という状況に陥りやすくなり、鳥の行動をよく見てベストのタイミングを図るという事をやらなくなってしまいます。決定的な瞬間というのはラフに連写していて撮れるものではなく、一瞬のタイミングに入魂する事で撮れるものなので、初心者の方にはそういう要素を養う意味でむしろ連写性能が高いカメラは避けるべきと思います。高速連写のカメラはある程度熟練してレリーズのタイミングが図れるようになってから買い替えても十分でしょう。

 

キヤノンのボディは解像力重視でAPS-CサイズのEOS70D、高感度重視でフルサイズのEOS5DMarkVの2機種あると良いでしょう。ニコンは予算が厳しければD7100からスタートするのも良いですが、D800E一台あれば基本的に全て賄えるので最初からコチラを購入できればベストです。

 

 

 

< デジタル一眼レフ おすすめのショップ >
『カメラのキタムラオンラインショップ』はデジタル一眼レフは高額なので通販ではなく店頭購入したい・・・そんな方におすすめです。ネットで注文 → 全国1000以上のお近くの店舗受け取りが可能であり、日本国内では一番多くの地域に出展している大手カメラ専門店です。ネット限定価格の品も多いので普通にキタムラ店舗で購入するよりお買い得であり、低価格 + 店頭受取 + 地方にお住まい という条件の方にはかなりオススメできる購入先です。

 

店頭受取のメリットは何といってもトラブル時の対応が、窓口でスムースに行えることに尽きるでしょう。いわゆる家電品をトータルに扱っている家電量販店では、多くの店舗数があるものの、中級機以上のデジタル一眼レフは販売数量も少なく本社も含め専門知識を備えたスタッフが少ないのが実情です。しかし、カメラのキタムラはカメラの専門店ですので、そもそもの高額なカメラ機器の取引件数が多く購入先として非常に安心感があります。もちろん、個々の店舗によって専門知識のあるスタッフが居る・居ない等の事情はありますが、本社や他店舗との縦横の繋がりで多くの販売情報を共有していますので、その場のスタッフが初期不良の判断など対応に困るような状況があっても連絡を取ることですぐに対応してもらえるでしょう。

 

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まとめ

  • 長いレンズで”撮影機会を増やす”ことが、野鳥撮影入門者の上達に不可欠
  • 金銭的に余裕のある方は >>>> 新品『 EF 800mm F5.6L IS 』
  • 金銭的に厳しい方は >>>> 中古『 EF 500mm F4L IS 』 + 『 x1.4ExtenderV 』
  • ニコンの方は >>>> 新品 or 中古『 AF-S 500mm f/4G ED VR 』 + 『 TC-14e2 』 + 『 TC-17e2 』 + 『 TC-20e3 』+ 『 D800(E) 』
  • カメラは画素数と高感度を重視し、連写性能は低い機種を選ぶのが初心者にはベスト

 

 

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