あなたの野鳥撮影におけるレンズ選びをサポート致します

400mm/F2.8 で撮る野鳥写真

 

 

このカテゴリでは、系統立ててレンズの違いを説明するのではなく、完全に個人的な思い入れで各スペックのレンズを使って感じたことを好き勝手に書いてみようと思います。

 

 

今回はニコンから新しいレンズが発売( 2014年8月、AF-S 400mm f/2.8E FL ED VR )になることも踏まえて、『 400mm/f2.8 』の作例を用いてこのスペックのレンズについてお話します。

 

 

 

 

 筆者が初めてヨンニッパのレンズを入手したのは、ただ超望遠レンズを2つ用意したい(ブラインドの左右両方から常にレンズを出しておきたい)状況に出くわした事がきっかけで、その時使用していたロクヨンと同じスペックのレンズは購入したくなかったという極めて消極的な理由でヨンニッパを追加購入しました。

 

野鳥撮影のレンズ選び(大砲レンズ編)でも述べていますが、極めて扱いの難しいレンズですから、購入してからも当然のごとくこのヨンニッパのレンズは余程の事が無いかぎり防湿庫のなかで使われずに置いてある状態が続きました。ひどいときには丸1年間全く使用されなかったという時期もありました。

 

ところが、ある程度野鳥の観察を続けたり、レンズのスペックの違いを理解すること+野鳥をどう表現するかということを考えるうちにこのヨンニッパの出番は以前よりもだいぶ増えてきました。まだまだ使いこなしているとはいえない状況ではありますが、このヨンニッパをどういう風に使えばよいかと感じたことを作例も踏まえてお話します。

 

 

 

まず初めに、大口径望遠レンズの違いを理解するのに極めて重要な、抑えておきたいポイントである口径と描写角度を表にまとめてみました。

 

超望遠レンズの口径と描写角度
レンズ口径角度(水平)
800mm/F5.6142.8cm2°35'
600mm/F4.0150.0cm3°30'
500mm/F4.0125.0cm4°00'
400mm/F2.8142.8cm5°10'
300mm/F2.8107.1cm6°50'
200mm/F2.0100.0cm10°00'

 

超望遠レンズのスペックでの違いを理解するのは口径と描写角度を理解することに他なりません。口径は大きいほどピントが浅く・ボケ量が大きく・立体感が増すということに影響します。描写角度はそのまま文字どおりで、写る角度を意味しています。

 

ヨンニッパというレンズは口径が『 142.8cm 』で、ロクヨンより小さく、ハチゴロと同じ、ゴーヨンより大きいというサイズです。描写角度は『 約5°』という事になります。口径が同じハチゴロとの比較がわかりやすいですが、ピントの範囲・ボケ量・立体感は口径が同じなので同等ですが、写る範囲が角度で2倍・面積では2×2で4倍のエリアが描写されるレンズという事になります。

 

 

 

それでは、この『 400mm F2.8 』スペックのレンズが
野鳥撮影の実践における状況ではどういうレンズなのか作例をあげてお話していきます。

 

 

野鳥撮影でのヨンニッパ暗所
※巣材を運ぶムシクイ類で横向きに停まるやや動きのあるシーンを撮影。F2.8の明るさのおかげで暗い林内でも、ある程度のシャッタースピードを確保できている。(画像クリックで拡大表示します)

 

ほとんどの方はヨンニッパを明るいレンズと真っ先に考えられていると思います。筆者ももちろんそのことを前提にヨンニッパを使用しています。今回の作例のように暗所のなかである程度の動きのあるものをしっかり描写しようとなると、どうしてもある程度のシャッター速度は確保しなければならず、野鳥撮影ではこのような状況は多々あります。明るいレンズというのは本当にありがたいもので、撮れるものなら常にこのレンズを使いたいと思うほどです。

 

ただし、400mmの焦点距離では小鳥類の場合は『 5m 』近くまで近接しない限りまともな写真にはなりません。この時はたまたま近くで造巣中の固体に出くわしたので近距離での撮影ができましたが、このようなチャンスはそうそうあるものではありません。また、重量が極めて重い部類のレンズであり気軽に持ち運べないことが、野鳥への近接を難しくしているという、厳しい使用条件が重なるレンズでもあります。『 機動力の乏しいレンズなのに近接しなければならない 』この条件がクリアできてこそ初めてF2.8の明るさの恩恵を享受できるレンズといってよいでしょう。

 

更に、これらの厳しい条件をクリアしてもまだ難しい問題があります。それは『 ピントの浅さ 』です。苦労してようやく野鳥に近接できたとしても、ピンボケ写真を量産するのがこのレンズの特徴です。先の表の口径を見ていただけるとわかりますが、口径はロクヨンに次いで2番目に大きいレンズです。ピントが極薄なのは当然として、さらに鳥が小さくしか写らないというのがピント問題に更に拍車をかけます。同じ口径のハチゴロとピントの浅さは同じですが、撮れる野鳥の大きさに4倍の面積の違いがあるので、AFでのピント精度はまるで違うものがあります。サンプル写真を拡大して見て頂きたいのですが、ムシクイの頭部にピントがきていて胴体の部分はもはやピントが外れている状態です。巣材を咥えていることがプラスになりAFでもヒットしている画像がありましたが、巣材を咥えていなければAFで撮るとほとんどの写真が胴体にピントが来てしまうと思います。

 

 

 

 

 

野鳥撮影でのヨンニッパ高速シャッター
※獲物を見つけ突っ込むコミミズク(少トリミング)。しっかり獲物を見つめ、地面に激突する寸前にようやく脚を出し始める。瞬間的な動きを捉えるために極めて高速のシャッターを確保したいため、400mm/f2.8のレンズをセレクトしての撮影。(画像クリックで拡大表示します)

 

コミミズクのハンティングシーンを撮影しようと、ヨンニッパを持ち出したことがありました。コミミズクは警戒心が緩い個体が居る場合があり、土手の斜面で狩をする時期も重なると多少は飛行コースを読むことが出来るので、ヨンニッパで撮影できるほど近接して撮影できるチャンスがあると思った状況でした。

 

決定的な動きを捉えたいという思いが強かったので、シャッター速度はとにかく高速に設定し、感度も当事のカメラでは限界にちかい設定まで上げていました。近接できるという状況を最大限に利用するために念入りに準備を行って撮影に望みましたが、近くを通過することはあってもそうそう目の前でハンティングをしてくれることはありませんでした。日没が近くなり感度を上げてもシャッター速度が上げられなくなりそうになったとき、突然目の前に現れてハンティングをしてくれました。残念ながら獲物は捕り損ねたようですが、飛び込む寸前のコミミズクの”本気の突っ込み”をイメージできたように思います。

 

このイメージを撮るのに、どの程度のシャッター速度があれば撮れるのか・・・というのは議論があると思いますが、私の場合はそうそう何回もあるチャンスではないという考えから、コミミズクが本気の全力で狩をするシーンが撮りたいなら、自分も本気の全力で準備をして設定も全力でやるという考えで撮影したものです。先のムシクイの例にもありますが、ピントが浅いので翼にピントが来ていて顔の部分はフォーカスアウトなイメージですが、私はこれでも十二分に満足しています。このイメージを撮らせてくれたこのコミミズクには感謝感謝です。

 

ヨンニッパを使用するには、やはりある程度の撮影できる”見込み”があってようやく持ち出せるレンズと言えるのではないかと思います。

 

また、この時はサンニッパも準備していましたが被写体が猛禽類であるために近距離を飛んだとしても迫力不足であることがわかったため、すぐにヨンニッパでの撮影態勢に切り替えました。俊敏さに対応しやすいサンニッパと迫力を重視するヨンニッパとでは同じF2.8レンズでも使い方がかなり異なります。結果としてはヨンニッパの撮影でも少しトリミングする必要があるイメージになりましたが、サンニッパで撮影したならばトリミング量の増加とピントが深くなるためにコミミズクの突っ込む”本気度”が薄れた表現になっていたでしょう。

 

 

 

 

 

野鳥撮影でのヨンニッパワイドなイメージ
※2013-14にかけて某所で人気となったヘラサギ。桜が満開の時期まで滞在してくれたので、桜の一番良い時期を見計らってワイドなイメージを狙ってみることに。主役はあくまでヘラサギなので桜は引き立て役です。428のワイド感+極薄ピントの効果で、被写体が背景に埋没することなく存在感を示してくれている。更にワイド感を強調するために16:9の比率で上下部分をトリミングしました。(画像クリックで拡大表示します)

 

今度はヨンニッパでのワイドなイメージをご紹介します。これまでは近接しての撮影を例にしましたが、あえて被写体に離れることでイメージとして完成させるヨンニッパの使い方です。

 

ヨンニッパは口径が大きいのにワイドに写るという特徴がありますので、実は風景の中の野鳥というイメージが非常に撮りやすいレンズです。ピントの浅さがトップクラスなので野鳥が小さくても野鳥だけにピントを合わせれば、背景がやんわりとボケてくれるので被写体が引き立ちやすくなります。同じイメージをサンニッパで撮ろうとするとボケ量がヨンニッパより乏しくさらに野鳥が小さくなってしまうので、背景に埋没してしまう度合いがあがりイメージ全体として画作りの難易度があがります。400mm以下の短いレンズで、野鳥を小さく表現するのは短いレンズほど被写体のアピール度合いが減少しますので、428 ⇒ 328 ⇒ 22 の順番で画作りが難しくなると言って良いでしょう。

 

ゴーヨンでこのイメージを撮っていたらどうなるでしょうか。ゴーヨンであれば、ピントがやや深くなりヘラサギがやや大きく写ります。そして背景の描写が約25%失われます。画面全体のバランスとして、桜の満開度合いはヨンニッパと比較すると相当失われることになるでしょう。また、被写体が大きくなるのとピントが深くなることで両レンズの比較ではヨンニッパの方が上品な感じがするはずです。上品な感じというのは説明が難しいのですが、被写体がより小さいのにピントの浅さで被写体を浮かび上がらせているほう(428)が、背景の描写を減らして野鳥を大きく写すことで被写体をアピールする手法より(54)も気が利いているという感じになるでしょうか。野鳥を小さく撮影するというのは非常に難しいのですが、それゆえに面白いとヨンニッパを使っていると感じることが多くなりました。

 

ロクヨンとでは写る範囲が全く異なりますので、もはやあまり比較にはなりません。ピントがより浅く被写体がかなり大きく写りますので、ヨンニッパとの比較では被写体のメイン度合いがまるで異なってきます。この作例をロクヨンで撮影していたならば、もはや桜は脇役どころか単調なピンク色のボケにしかならずただヘラサギが写っているだけの感じになり、コメントを付け加えないと背景に桜が入っていることが見ている人には伝わりにくくなるでしょう。

 

ボケ量の大きさと+写る範囲の広さ、これらを兼ね備えたヨンニッパは野鳥が小さい風景の中の野鳥というようなイメージを撮るレンズとしては非常に扱いやすいレンズです。

 

 

 

 

  ヨンニッパのテレコン使用
ヨンニッパは野鳥撮影では焦点距離が非常に短く野鳥が小さくしか写らないことが多いため、テレコン使用を前提に考えていらっしゃるかたも多いと思います。筆者も使用頻度的にはテレコンを装着する割合が多かったのですが、使えば使うほどにテレコン使用の弊害を感じるようになり近年はテレコンを使う機会はほとんど無くなりました。作例とともに筆者のこれまでに感じてきたことをそのままにお伝えしようと思います。

 

野鳥撮影でのヨンニッパ暗所
※渡りの途中、深緑の森で休息するアカハラ。1.4倍テレコンを使用しても画質的に何ら不満を感じないほどヨンニッパの描写性能は優れている。560mmF4.0レンズとして十二分に使えるが・・・。(画像クリックで拡大表示します)

 

ヨンニッパは古いモデルにおいても常にその時代における最高クラスの光学性能を有している事もあり、テレコンを使用しても多くの方が何ら不満のない描写性能を発揮してくれます。1.4倍テレコン使用時においては『 560mm /F4.0 』になるためロクヨンとほぼ同じスペックになりますが、同じシーンを撮り比べても違いが判る人というのはそうそういらっしゃらないレベルではないかと思います。

 

描写性能的には何ら不満のないヨンニッパですが、これまでテレコン使用時に一番気になったのはAF速度の低下です。テレコンの倍率があがるほど、周囲の環境が暗くなるほどにAF速度の低下が顕著になります。明るい条件のとまりもの撮影であれば、ロクヨン単体との比較はほぼ差が見当たらないでしょうが、考えてみるとヨンニッパを使いたい条件というのがおおよそ暗いところでの撮影だったり、高速シャッターで飛翔シーンを撮りたいという事が多いのです。ヨンニッパを使いたいという条件であるほどにテレコン使用によるAF速度の低下が大きな足かせになっているのに気づきました。

 

 

 

野鳥撮影でのヨンニッパ暗所
※日没後の薄暗い中、塒上空を飛び回るハイイロチュウヒ(少トリミング)。テレコンを使用すると特に暗所ではAF速度が極端に遅くなる。(画像クリックで拡大表示します)

 

ヨンニッパに1.7倍テレコンを使用して暗所で飛翔するハイイロチュウヒを撮影しました。この場所は相当に近距離で撮影が可能な場所でしたが、それでもテレコンを使用しなければ猛禽類の迫力は到底出せない状況でしたので、この時は相当暗い条件でもやむなく1.7倍テレコンを使用していました。1.7倍テレコンで日没後の暗所ともなると飛翔シーンにおけるAF速度の低下は致命的です。案の定、こちらに向かってくるようなピント面の移動が激しいシーンは大方ピントが追いついておらず、横に飛んでいるシーン(ピント面の移動が少ない)ばかりがOKカットとなりました。後日、同じ場所で同じようなシーンを500mmの単体で追うとやはりピントの追従性はかなり違うものでした。

 

ヨンニッパはやはり単体での使用が好ましく、テレコンを使用するような条件下では素直にロクヨンをセレクトすべきだと思います。決定的なシーンを狙うほどにテレコン使用によるAF速度の低下が足かせになります。先のサンプルにあるコミミズクの突っ込みのような極限シーンはテレコン装着で撮れるほど甘くはないでしょう。2倍テレコンを使用すると更にAF速度は低下しますし、画質の劣化もさすがに顕著になってきますのでヨンニッパにテレコン使用でさまざまな状況に対応しようというのはやはり無理があります。

 

ヨンニッパはヨンニッパ単体での使用を前提とするのが最も望ましいと思いますが、そうすると被写体にもの凄く近づける状況までもってきたり、遠景でもしっかりと画としてまとめることができるような予測や前準備があって初めて活躍できるレンズです。初心者が初めの1本目を購入する大砲レンズとしては最も相応しくないレンズであり、既に長いレンズを持っている人がサブとして所有し、使える状況になっていよいよ持ち出すような”これを使うときは相当気合が入るレンズ”と言えると思います。

 

 

 

 

  ヨンニッパの飛翔写真
ヨンニッパはF2.8の明るいレンズであるため、高速シャッターでカワセミの飛び込みや、猛禽類の飛翔シーンなど動体撮影を目的に購入を考えている方もいらっしゃると思います。筆者の経験からヨンニッパでの動体撮影はどのようなものなのか気づいた事を簡潔に述べてみようと思います。

 

野鳥撮影でのヨンニッパ飛翔
※目の前を通過するコミミズク。レンズの振りに対する画角変化が長いレンズより緩やかなので、フレーミングが難しい縦位置の飛翔シーンも撮影がしやすい。(画像クリックで拡大表示します)

 

最初の口径と描写角度の表を元にヨンニッパとロクヨンを例にします。飛翔シーンではまずフレーミングが最も重要ですので、レンズごとの描写角度が問題になります。ヨンニッパは『約5°』、ロクヨンは『3°強』の描写角度です。レンズを『1°』の角度振ったとすると、ヨンニッパでは約20%の見える範囲が移動しますがロクヨンでは約30%の見える範囲が移動する事になります。焦点距離の長いレンズであるほど、レンズを少し動かしただけで大きく見える範囲が移動する事になり、短いレンズであればその逆になります。

 

それでは、同じ被写体・同じ動きをヨンニッパで10メートルの距離から、ロクヨンで15メートルの距離から撮るのとではどちらが難しいでしょうか。焦点距離が1.5倍、撮影距離が1.5倍なので、ファインダーで見える野鳥の大きさはどちらも同じです。

 

結論から言いますと、この比較ではフレーミングはレンズの振りに対して見える範囲の移動が割合が大きいロクヨンの方がフレーミングは難しいですが、ピント合わせはより近距離で撮影しているヨンニッパの方が難しくなります。厳密に比較するとレンズの振りやすさなど他の要因も関わってきますし、ヨンニッパでは余程近接しない限り野鳥がまともな大きさに写りませんから、現実問題としてはロクヨンで撮れるチャンスとヨンニッパで撮れるチャンスは10倍くらいの違いは出てくると思います。ここで理論として申し上げておきたいことは、被写体との距離が自由に調整できる条件なら、より短いレンズで近づいて撮影する方が、振りに対してフレームの動きが緩やかであるため被写体追従では有利だということです。

 

続いては、ピントについてです。最初のムシクイや二番目のコミミズクのサンプルをもう一度見ていただきたいのですが、ヨンニッパは野鳥が小さくしか写らないのにピントがとても浅いので、飛翔シーンのような瞬間的な動きのある撮影ではよりピント合わせが難しくなります。より高速シャッターが使えるということはそれだけピントが難しくなりますので、現実問題としてフルサイズのヨンニッパで飛翔写真を撮影しようというのは『 距離が近いほど、ピントが相当運に左右される 』と言って良いでしょう。AFでしっかり野鳥を捉え続けたり、MFである程度の動きを予測してピンを手前に置いておくなどの技術も必要かと思います。被写体に近づく努力をして、なおかつ技術が要求されるので野鳥撮影の部類では最高ランクの難易度です。しかし、それゆえにある程度の写真が撮れたときの喜びというのはまた格別のものがあります。

 

 

 

 

  ヨンニッパ・各モデルごとの筆者の独断的な評価

EF400mm F2.8L IS
描写性能は未だピカイチ。ISもあるので一応手持ち撮影も可能ですが、同期のロクヨンより重いので基本的には三脚使用が前提となるでしょう。現在中古でも45万以下で程度の良いものが出回っており、用途が合えば積極的に狙ってよいレンズです。野鳥をアップで撮るのに飽きてきた人が新たな刺激を得るのに最も低予算で実現できるヨンニッパなので、ヨンニッパ入門レンズとしてとてもオススメです。

 

EF400mm F2.8L ISU
ヨンニッパのスペックを手持ちで使いたいならコレというレンズ。新世代のレンズらしく描写性能は文句なしでISの効きも旧世代モデルよりかなりの進化を感じられます。ニコンも新型が発売ですが、保護レンズが無い(レンズの先端部が軽い)ので振り回しやすさはコチラの方が上です。実は、三脚座がニコンの新型FLヨンニッパよりかなり前の方まで伸びているので、三脚座を手のひらで支え、指先をレンズ先端部のAFストップボタン付近に添える持ち方が出来るので体にかかる負担が非常に少ないのが特徴。三脚座を手のひらで支えられると、レンズの先端部を持つより三脚座の高さの分だけ腕を上げずにレンズを目線の高さまで持って来れるので非常に肩の負担が少ないのです。繰り返しになりますが手持ちでヨンニッパを使いたいならコレ1択です。

 

AF-S 400mm F2.8DU
ナノクリスタルコートの無い旧モデルですが、1.7倍テレコンを使用してもシャープネスは未だ一級品の実力を備えてます。タマ数が少なく中古でも非常に高額でしたが、FLモデルが発売になりようやく中古で50万を切る価格が見られるようになってきました。重いから基本三脚で撮るし、飛び物は高速シャッターを使うからVRは要らないという考え方も十分ありだと思いますので、D810でワイドなイメージを狙うなどニコン機でとりあえずヨンニッパを使いたいという人が所有するにはとてもおすすめ出来るレンズです。筆者も未だ手放さず現役で使用してます。

 

AF-S 400mm F2.8G ED VR
ナノクリスタルコートが施されたVR搭載のヨンニッパ。今となっては重量級の部類に入るレンズで手持ちでの運用は限定的と考えたほうが良いでしょう。三脚座が前の方にあるのでバランス的にも手持ちの場合は左腕の負担が大きいレンズです。手持ちを前提とするなら新型とはもはや比較にならず、三脚使用ならVR無しの旧型で十分なので、中古価格も余り下がっていない現状では手を出しにくいレンズと言えるでしょう。

 

AF-S 400mm F2.8E FL ED VR
ついに発売となるニコンの最新鋭ヨンニッパ。保護ガラスの存在と三脚座がやや手前にあることで、レンズだけの比較で考えると手持ちでの運用はキヤノンの新型の方が優れています。手持ち運用はニコンの大砲レンズでは文句無くトップレベルなので、ニコンボディでヨンニッパを手持ちで使いたいという人にはコレ1択という存在になるでしょう。

 

 

 

 

  ヨンニッパ・筆者オススメの組み合わせ

EOS-1DX + EF400mm F2.8L ISU
高感度+高速連射機+もっとも手持ちしやすいヨンニッパの『 機動力・最強 』の組み合わせです。野鳥に相当近づける状況にあるならどのようなシーンが撮れるかワクワクするようなセットだと言えるでしょう。フルサイズ+ヨンニッパはピントが極めて難しいですがコマ数の多さで打率アップが期待できます。また、『 EOS 6D 』のセレクトも場合によっては有用です。中央1点のAFポイントは -3EV 対応で 1DX より優れており、またボディが非常に軽量であるため軽量な『 428 ISU 』との相性もよくベストポジションへの移動がかなりしやすい組み合わせです。瞬間的なコマ数が少なくてよい状況(藪中を移動するコマドリや暗い森の水場での撮影など)ならコチラの選択も十二分に選択の余地があります。

 

D810 + AF-S 400mm F2.8DU
風景の中の野鳥・ワイドイメージを狙う『 野鳥風景 』の組み合わせです。レンズは予算があるならVRモデル・蛍石モデルを選んでも構いませんが、その予算分を交通費に回して撮影機会を増やすという考えもアリでしょう。ニコンのカメラはAFがキヤノンモデルよりやや遅いのですが最後のピントの追い込みに時間を掛けるだけあって精度がよい印象があります。また、ライブビューでのAFもキヤノンモデルより極めて高速でピントが合うために非常に使いやすいです。野鳥が小さく写るようなイメージではピント合わせが非常に難しいので、ニコンのAFの方が信頼性・実用性が高く野鳥風景の写真を撮るのに向いています。更に、高画素+ローパスフィルターの効果がない D810 はヨンニッパの風景イメージに最も相応しいボディであると言えるでしょう。

 

 

 

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