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タムロン 150-600 キヤノン用・実践レビュー

実際に、野外で野鳥撮影に『 TAMRON 150-600mm F5-6.3 Di VC 』を使用してみました。できる限り客観的にレポートをしていますが、個人的な経験に基づいてのコメントもありますので、あくまでも一例として参考程度に読み進めて頂けると良いと思います。

 

このレンズの長所ををできるだけ活かすように撮影に取り組みましたが、掲載当初は閲覧しづらい状況が続いてしまい申し訳ありませんでした。混雑を緩和するために、記事を実践レポートとして分割いたしました。少しでも皆様の野鳥撮影におけるレンズ選びの参考になれば幸いです。

 

 

 

 『 EOS 6D 』 タムロン 150-600mm 実写撮影サンプル
今回は『 EOS 6D 』にて撮影に赴きました。軽量の EOS 6D とこのレンズの組み合わせは高感度画質の良さも含めて機動力は最強の野鳥撮影機材となりそうです。それでは早速サンプルを説明を入れて掲載します。ヘラサギの画像は上下をカットし16:9比率に変更していますが、他の画像はトリミングを行っていません。また、全画像全て手持ち撮影です。

 

また、オンラインアルバムや画像クリックで得られるフルデータは全て露出、コントラスト、シャドウ、ハイライト、カラーバランスを調整していますが、『 シャープネス 』は一切手を加えていません。

 

 

タムロン 150-600mm
どこに野鳥を撮りに行こうか迷ったのですが、被写体への距離が遠い場合と近い場合のサンプルは最低欲しいと考え、遠距離ではまず外れの無いヘラサギを撮りに埼玉県の有名な沼に行ってきました。その後、そこから余り遠くない自然公園に立ち寄り近距離で小鳥類を撮影しました。

 

 

※このサンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
被写体への距離は50mオーバーでかなり遠い被写体の撮影サンプルです。ヘラサギが動き回るのでAIサーボで追いながら撮影しましたが、中央以外の測距点で追ったためピントがきちんと合っている画像は5枚撮影して1枚くらいしかありませんでした。遠い被写体にはできればライブビューでピントを合わせたほうが良いようです。今回のように動いている被写体には中央の測距点で追うか、枚数を多く撮ることでカバーするのが良いでしょう。きっちりピントが合っている画像ではかなりの解像力があり、殆どの方が600mmで10万円クラスのレンズとは思えないという印象を持たれる事でしょう。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
枝にとまっているアオジを同じくAIサーボで連写しましたが、角の測距点を使用していたためピントがやや甘かったようです。背景に口径食であるレモン状のボケが見られますが、これは100万クラスの純正大砲レンズでも出ますので気にすることはないでしょう。ボケ味も全体的に良い印象を持ちました。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
アオジの目線まで身を低くし、近くに寄ってくるのを待ちました。少々無理な姿勢でしたが、軽量なレンズなので15分くらい待っても体に負担は殆どありません。大砲レンズでは極めて難しい撮影スタイルにもこのレンズは抜群の機動力で対応できます。アオジがどんどん迫って来るところをAIサーボで連写しましたが、ピントが来ているのが何枚かありました。これくらいピントが浅いと、純正レンズでも相当運が良くないと撮れませんから近距離の被写体への追従性能はまずまず良好と言って良いと思います。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
目の前の池にアオサギがやって来ました。無風だったため、綺麗な水鏡になっていたのですが600mmだと縦位置でもはみ出す大きさになってしまいました。すかさずズームを使って、水面の映りこみも含めてベストの構図になるように微調整。下がることができない場所でしたので、ズームレンズでなければきっちり収めることができなかった一枚です。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm 150mm側
夕刻に狩を始めたものの、風が出てきたため狩は中止し田んぼの畦で休憩するコミミズク。夕日と雲の出方が良かったので思い切って150mm側まで引いての撮影を試みました。アップだけで無くさまざまな画作りを楽しめるのもズームレンズの面白さです。また、-3EVまで対応する EOS 6D の中央測距点のAFポイントはこういう影になっている被写体に対しても安心して使用ができました。 EOS 6D はとまりものであれば中央1点のフォーカスロックで撮影するのが最も扱いやすいと思います。

 

 

 

 

 

『 EOS 6D でタムロン150-600mmを使用しての感想 』
当初心配していた手振れ補正ですが、構え方でかなり改善されました。左手はズームリング付近ではなく、レンズの最前面近くで持ったほうが自分の場合は安定度が増しました。軽量化のため今回は縦位置グリップを外しましたが、これは結果として失敗で縦位置の写真はブレ写真が増え、測距点もしっかり野鳥にあわせられなかったためピンボケが横位置より3倍以上多かったです。レンズとのバランスも考えると縦位置での撮影はグリップをつけたほうが良いでしょう。

 

また、中央の測距点でのピント精度+スピード(暗所含む)共に文句なしでしたが、周辺の測距点はかなり外れたり暗いと抜けてしまうことが多かったです。とまりものであれば中央でピントを合わせて、その後に構図調整したほうが良好な結果が得られるでしょう。

 

『 EOS 6D 』は抜群の高感度画質と軽量ボディで、タムロン150-600mmとの相性はかなり良いのではと思いこの組み合わせを最初にセレクトしましたが、クロスセンサーを搭載していない周辺の測距点と軽量ゆえの縦位置撮影の課題が浮かび上がりました。縦位置はグリップ装着でかなり改善できると思いますが、周辺の測距点の精度はF6.3と暗いレンズゆえの欠点と思われます。しかし、この『 機動性 + 600mm + 高感度画質 + 低価格』の組み合わせは、多くの野鳥カメラマンに新たな可能性を感じさせる機材になることは間違いないでしょう。描写性能自体も焦点距離を考えると純正の456、34+1.4テレ、100-400mmらは軽く凌駕していますので、野鳥撮影の世界に新しい時代がやってきたと思わされる一日となりました。

 

>>>>  EOS 6D で撮影した上記画像サンプルのフルデータはこちら

 

 

 

 

 

 『 EOS 5D MarkV』 タムロン 150-600mm 実写撮影サンプル
次は『 EOS 5D MarkV』にて撮影に赴きました。描写性能自体は『 EOS 6D 』でチェック済みですので、課題であった縦位置グリップ使用時のブレ軽減とAF性能への考察を中心に試してみました。前回同様にヘラサギの画像は上下をカットし16:9比率に変更していますが、他の画像はトリミングを行っていません。また、今回も全画像すべて手持ち撮影です。

 

オンラインアルバムにてオリジナルデータが見れますが、露出、コントラスト、シャドウ、ハイライト、カラーバランスは調整しています。ただし、レンズ性能とピントチェックの為にシャープネスは一切手を加えていません。

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
皆さんが気にされているであろう飛翔シーンのAF追従性能をチェックしました。ヘラサギがちょうど休憩場からこちらに向かって飛んできたので、ゾーンAF + AIサーボで被写体を追いましたが、貴重なワンチャンスで『 しっかりと追従 』してくれました。ただし、この後の着水寸前のコマは手前の水面にピントが引っ張られてしまっています。ある程度の被写体の大きさがあって、背景との距離(ピント的な意味での距離差)があればゾーンAFで十分に追従してくれる能力があると感じました。ちなみに筆者の経験上の考えでは、この被写体の大きさで61点自動選択にしていたとすると、被写体を捉えきれず最初から背景の水面に完全にピントがもっていかれていると思います。

 

リミッターを『 15m-∞ 』に設定すれば猛禽類などは純正レンズと同じくらい十分に追従すると思います。ただ、Fullフォーカス状態で大きく手前側(大デフォーカス状態)から遠くの被写体を捉えようとすると、フォーカスが迷ったり動かなかったりする現象が見られます。これは、600mmレンズでありながら最短が2.7mと極めてピント範囲が広いために、ピント面に差がありすぎるとサーチ駆動がうまく働かないことに起因しているように思います。純正のロクヨンでさえ最短は4.5mですから、このレンズで飛び物を狙うときはあらかじめ被写体の来そうな距離にレンズのピントをもって来ておくか、フォーカスリミッターを使うようにすることで解決できる問題と言えるでしょう。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
採餌のために、動き回っているシギ類を『 ゾーンAF + AIサーボ 』で撮影しました。6Dではランダムに動く被写体をAIサーボで追従させるのは非常に難しいのですが、5DMarkVのゾーンAFであれば12点の測距点の中に野鳥を入れておけばよいので『 EOS 6D 』とは非常に差が出る撮影条件です。シギ類以外でも、常に動いている野鳥でその動きがランダムな野鳥であれば積極的にゾーンAFを使用すると良いでしょう。

 

※被写体への光をクローズアップするために、シャドウ部を落として周辺減光をかなり強調しています。オリジナルはここまでの減光はありません。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
枝の上を動き回っているヒヨドリをを同じく『 ゾーンAF + AIサーボ 』で連写しましたが、手前に障害物が入りやすい情況のためすっきりと抜けたところに出てくるのを待ってからシャッターを切りました。手前に障害物が入ると、多くの場合はそちらにピントが引っ張られます。障害物が多い場合は1点AFの方が有用ですので、状況に応じて切り替えると良いでしょう。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
カワセミが20m先の枝に来てくれました。600mmまでズームアップしましたが何とも中途半端なイメージだったため、400mm近くまでワイドにして背景を取り入れたイメージにしてみました。ゾーンAFでは下にある枝にピントが引っ張られてしまうため1点AFに切り替えましたが、被写体が小さすぎて外側の測距点ではピントが背景に抜けてしまい全く合いませんでした。そこで、中央21点の測距点を使用してみるとこちらではスッと一発でピントが来ました。5DMarkVの中央21点はF5.6対応のクロスセンサー測距点なのですが、F6.3の当レンズでもこの時の状況から考えるとクロスセンサーが利いているように感じました。

 

AFをワンショットではなくAIサーボにしているのは、ピントに多少のランダム性を持たせたいからです。ワンショットでピントを合わせて連写すると、万が一ピントがずれていたときに撮影画像が全滅してしまうからです。AIサーボにしていると、ピントに多少ばらつきが出るのでピンボケの確率を多少減らすことができます。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
次のサンプルは、暗所でのAF性能チェックです。日没間近の暗い林でルリビタキに出会いました。周りにカメラマンは全くおらずISO感度は10000まで上昇するほど暗くなっている状況ですが、このくらいの被写体の大きさであれば外側のAFポイントでもしっかりとピントが来ています。暗所のためAF速度もある程度低下していますが、2倍テレコンを使用した純正レンズよりはテレコンが無い分高速に動くように感じました。このくらいの暗所でのAF精度・速度ともに十二分に実用レベルにあると思います。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
ルリビタキの雄が赤い実がなるノイバラの木にやってきましたが、これは失敗例です。被写体が小さく距離も遠かったので、600mm側でなおかつ精度の高い中央の側距点でフォーカスロックしてから構図を変更して撮影しましたが、ピントが見事にずれていました。黄色い○で囲んでいる赤い身の部分はしっかりと解像していますので、レンズの描写性能が悪いわけではありません。前回『 EOS 6D 』を使用した感覚では中央測距点でのフォーカスロックはかなり有用と感じていましたが『 5DMark3 』はやや性能が劣るのかたまたま条件が合わなかったのか、まだ断言はできませんが今回は失敗となりました。

 

このレンズは600mm側で遠距離の被写体を撮影すると画像がやや甘く、絞るとしっかり写ると言う評価がありますが、これは筆者の経験上殆どの場合ピントの追い込み不足と考えられます。『 焦点距離が長い & 被写体が遠い 』という条件化ではピントは極めてシビアになり、更に空気の揺らぎなどの問題も重なってシャープに写る確立が格段に落ちてしまいます。

 

筆者の体験例をあげますと、800mm + 2倍テレコン + APS-Cセンサーのカメラを使用し200メートル先の被写体を狙う・・・とすると、ピントリングを0.1ミリ動かしただけで画面全体のピントが大きく動いてしまいます。ピント合わせでは極めて正確なライブビューのAFでさえこの条件では外れる事も多いです。絞るとしっかり写るというのは被写界深度を増やすことでわずかなピンずれの影響が見えにくくなるというのが実状だと思います。先の看板の当倍サンプルでは50メートル先にも関わらずピントを厳密に合わせて空気の揺らぎも踏まえて相当の枚数を撮って各組み合わせでベストの解像力を引き出したものを掲載しています。このレンズの描写性能自体はかなりのものがあるのは間違いないのですが、それを引き出すためのピント精度がカメラとのマッチングの問題で足りていないというのが正解かもしれません。

 

タムロン 150-600mm において、特に600mm側で遠景を撮るときはピントが極めてシビアになりますので、ライブビューを使用する・AIサーボにして多少ピントに幅を持たせ枚数を多く撮る・絞って被写界深度を増やす、などの対策をとる必要があるでしょう。被写体が近い場合は タムロン 150-600mm でもかなり打率が上がりますのでそれほど心配する必要はありません。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
近距離に現れたルリビタキをゾーンAFでピント合わせしました。これだけ近いと体にピント当てた場合に顔がピントから外れますので、ゾーンAFでも一番右上のゾーンにして、12点のうち下の4点だけを頭部に重ねるようにすると上手くいきます。『 EOS 6D 』では近距離でも外側の測距点の使用に不安がありましたが、5DMarkVであれば複数の測距点が互いにアシストする感じになりスッとすぐにピントが合いました。

 

 

 

『 EOS 5D MarkV でタムロン150-600mmを使用しての感想 』
今回は、前回の反省から縦位置グリップを装着しましたが、構えたときのバランスが非常に安定し縦位置撮影での手振れは大幅に減りました。また、『 EOS 6D 』との比較では、ゾーンAFを使用することにより『動きモノ』・『飛びモノ』・『外側の測距点が有用に』という点で大きなメリットが見出せました。いずれも野鳥撮影では重要な項目ですので、このレンズを使用する上では価格差以上のメリットが EOS 5D MarkV にはあると思います。縦位置グリップにマルチコントローラーがある事(6Dのグリップには無い)もあり測距点の変更もスムースにできるので、多点AFを搭載している EOS 5D MarkV や EOS-1DX を使用するほうがピントの打率向上が期待できるでしょう。ただし、中央1点でのフォーカスロックに関しては今のところ『 EOS 6D 』の方に分がありそうですので、使い方次第ではこちらの選択もあると思います。

 

そして、このレンズをこの3日間使用して一番問題だと感じたのは、とくに被写体が遠い状況(およそ20メートル以上)においてはピント精度がやはり純正レンズには遠く及ばないという事でした。筆者の体験例で言いますと、『 EF500mm F4L ISU + 1.4exV 』では10枚撮影して9枚ピントがしっかり来る状況があるとすると、タムロン 150-600mm では同じ条件で3枚ピントが来れば良い・・・そのくらい遠い被写体でのピント精度の打率が異なります。

 

もちろん、当サイトにて掲載しているフルデータのサンプルは基本的に極力解像力が高い画像をセレクトしています。純正100万クラスのレンズはその描写性能が優れているのももちろんですが、その性能を引き出すのも容易なところにコストがかかっていると思います。タムロン 150-600mm は描写性能自体は優れているがその性能を引き出すのにやや条件が必要な分コストパフォーマンスに優れている機材と言えるでしょう。

 

>>>>  EOS 5D MarkV で撮影した上記画像サンプルのフルデータはこちら

 

 

 

 

 

 『 EOS 7D 』 タムロン 150-600mm 実写撮影サンプル
続いて『 EOS 7D 』にて撮影に赴きました。フルサイズのカメラとの画角の違いと、F5.6対応の19点クロスセンサーを装備しているので主に中央以外での測距点のピント精度を中心に検証してみました。撮影画像は全てトリミングを行っておらず、今回も全画像すべて手持ち撮影です。

 

オンラインアルバムにてオリジナルデータが見れますが、露出、コントラスト、シャドウ、ハイライト、カラーバランスは調整しています。ただし、レンズ性能とピントチェックの為にシャープネスは一切手を加えていません。

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
かなり遠方の樹上で休んでいるオオタカを見つけました。曇天であったため空気の揺らぎも少なく、遠距離の描写性能チェックには好条件でした。APS-Cセンサーのカメラで換算画角は960mm相当になり100メートル以上遠くの被写体を捉えていますが、ピクセル等倍で見てもオオタカの鋭いまなざしをはっきりと見ることができます。これが10万円クラスのズームレンズで絞り開放での描写性能とは誰も思わないことでしょう。画像クリックでフルデータが見れますので、是非拡大して見てみてください。

 

また、このオオタカは車で長い鉄橋を渡っているときに車窓から見つけたのですが、当然橋の上に車を停めることはできませんので橋を渡りきってから適当な場所に車を停めて歩いて橋の中央まで向かい撮影したものです。ひっきりなしにトラックなどの大型車が走り鉄橋は常に揺れているために、三脚の使用はむしろブレを増加させる状況にあり、手持ちで撮影できる重量の機材で手振れ補正が備わっている当レンズでなければ撮影は難しかったと思われる状況でした。

 

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
再度ヘラサギの撮影に赴きました。採餌を終え水浴びをしていたので休憩に中洲へ戻るだろうと予測し、飛び出しの瞬間からゾーンAF+AIサーボでヘラサギを追いました。被写体がこのくらい大きく捉えられるとゾーンAFで十分に追従し、飛び出しから最後の着陸までほぼ全てのカットで満足のいくピント精度でした。日中で光量が十分であったことに加え、動きがほぼ一直線でしっかりとフレーム内に収められた事もうまくいった要因にあげられます。

 

この時の撮影ではフォーカスリミッターを『 15m-∞ 』にあらかじめ設定していたため、この距離の被写体であれば迷いが発生してもすぐにピントは戻ってきます。繰り返しになりますが、猛禽類など15m以内に被写体が入る可能性が無いときはリミッター機能は非常に有用です。ちなみに、このレンズの距離計の刻みは『 2.7 - 3.8 - 5 - 7 - 10 - 15 - 30 - ∞ 』となっていますので、『 15m-∞ 』にリミッターを設定すると全体の1/3しかフォーカスが動かないことになります。リミッターがフォーカスの高速化に大きく関わってくるのがお分かり頂けるでしょう。

 

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
すぐ目の前に現れたシジュウカラを撮影しましたが、残念ながらピントは微妙に外していました。このカットのような強い逆光状態の場合は、ピントを合わせたい部分が強い陰になってしまい、-0.5EVまでしか対応していない『 EOS 7D 』では精度に甘さが出ているように思いました。他に何枚も撮りましたが、強い逆光のシーンではピントがきっちり来ているカットがかなり少なめでした。

 

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
順光でのピント精度は外側の測距点でもまずまずの精度が得られました。とはいえ『 5D MarkV 』のサンプル説明の時も申し上げましたが、やはり100万円クラスの純正大砲レンズと比べると打率は半分くらいに落ちてしまう印象です。このカットも何枚か撮影してようやく得られたOKカットで、微妙なピンずれカットは何枚もありました。ピントがきっちりくれば、600mmの絞り開放でもしっかり写ります。背景のボケ量と被写体の立体感・そしてシャッタースピードを落とさないためにもできるだけ開放で撮影したほうが、画全体として被写体を表現しやすくなるでしょう。

 

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
完全に日が沈んでから茂みにいるアカハラを見つけました。かなり暗くなっているのでISO4000まで感度が上昇していますが、順光側から撮影できたため先のジョウビタキ♀と同じくらいのピント精度が得られました。暗くなっていても光が当たっているか、陰になっているかでピント精度が大きく変わる印象です。ただ、これは当レンズの性能ではなくカメラ側の性能によるものと言えるでしょう。

 

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
同じく、完全に日が沈んでから泳いでいるマガモを撮りました。APS-Cセンサーの換算画角960mmのおかげで被写体はかなり大きく写りカメラ的にはピントは合わせやすいはずですし、動きも読みやすいので常に顔にフレームを当て続ける事ができました。暗さ以外の条件は悪くないのですが、-0.5EVまでしか対応していない『 EOS7D 』のAFで暗さの影響は大きく、前後の動きのあるイメージは全滅し、ピントの動きの無い左右の動きのタイミングでしかピントは合いませんでした。

 

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
タムロン 150-600mm
近所の公園にカワセミが居ました。逆光で下嘴の赤色と背中の青色が美しかったのですが、酷い枝込みの中に居たのでここは当然とスポットAFで撮影を試みました。『 EOS 7D 』のAFは逆光が不得意とこの時には既に理解していたので枝込みを避ける意味でもスポットAFにしたのですが、逆にスポットAFの方がピントが抜けやすく精度も悪いという予想外の結果となりました。他にもさまざまなシーンでスポットAFを試しましたが、狙ったところにピント当てたいボケ量が大きいシーン(近距離に野鳥が居る場合など)ほどスポットAFのピント抜けが多く、1点AFの方が捉えやすく精度も高いという結果になりました。

 

F値が暗いことと-0.5EVしか対応しないAFの影響なのか、TAMRON 150-600mm F5-6.3 Di VC USD では『 EOS 7D 』のスポットAF余り有用では無いという結果になりました。最新の『 EOS 70D 』はスポットAFを搭載して無いことがネックになっていましたが、このレンズとの組合せだけでいえばスポットAFの無い『 EOS 70D 』を積極的に選んでも良いという材料になりそうです。

 

 

 

 

『 EOS 7D でタムロン150-600mmを使用しての感想 』
F5.6対応・19点オールクロスセンサー搭載のカメラでしたので、特に外側の測距点において大きな期待を抱いて撮影に臨みましたが、順光と逆光で大きくピント精度が異なる結果となりました。超遠距離のオオタカや日没後のアカハラなど精度を出すのが厳しい状況かつ中央以外の測距離点でも、順光であればきっちりピントが来ますので F5.6対応 とはいえこのレンズにおいてもクロスセンサーは機能しているように思います。ただ反面、カメラの性能自体が-0.5EVまでしか対応しないので被写体が陰になる逆光などの状況では極端にピント精度が怪しくなるという印象を持ちました。

 

これまで試した3機種のAF精度では、やはり -3EV 対応の『 EOS 6D 』の中央の測距点が安定して非常に精度が高く、次いで『 EOS 5DMarkV 』のゾーンAFにおける多点測距がヒット率が高い感じでした。TAMRON 150-600mm F5-6.3 Di VC USD では開放F値がF6.3と暗いため、暗所に対応したAFセンサーを積んだカメラの方がよりピント精度が高くその恩恵が大きいようです。2013年12月現在でキヤノンから発売されているモデルでは、中央以外の測距点で-2EV以上の暗さに対応するAFを積んだデジタル一眼レフカメラが存在しませんので、このレンズのピント精度の問題は今後の新しいカメラの発売により大きく改善する可能性があります。まだ、対応マウントが発売になっていませんがニコンのデジタル一眼レフカメラではフルサイズの『 D4 』『 D800・D800E 』、APS-Cの『 D7100 』とー2EVに対応するAFセンサーを積んだカメラが多く存在しますので、これらであればピント精度はかなり期待できるようにも思います。

 

最後に画角についてですが、APS-Cセンサーのカメラで換算960mmを『 VCによる手振れ補正 』で気軽に振り回して手持ちで撮影できるのは”非常に楽しく”野鳥撮影の新時代を再度強く意識させられました。近づくのが難しくない小鳥類であればズームでちょうどよい画角に調整したり、少し横に動いてちょっとした枝込みを避けたり、しゃがんでローポジションに瞬時に移行したりと、とにかく画作りが楽しく、またそれでいて無理して野鳥に近づく必要が無い焦点距離という撮影者にとってこれほどありがたい事はないと、久しぶりにワクワクしながらサンプル写真を撮っていました。何度も申し上げている通り、このレンズの欠点はピント精度にありますのでできるだけ何度もAFを駆動させて枚数を切ることをオススメします。

 

>>>>  EOS 7D で撮影した上記画像サンプルのフルデータはこちら

 

 

 

 

 『 EOS 70D 』 タムロン 150-600mm 実写撮影サンプル
続いて『 EOS 70D 』にて撮影に赴きました。キヤノン最新鋭のAPS-C機で、高感度の画質向上と7Dと同等の高機能AF、バリアングル液晶+高速ライブビューなど、主に7Dとの比較でどのような使用感の違いがあるかを中心に検証してみました。サムネイル画像は極僅かのトリミングを行っているものがありますが、画像クリックで表示されるフルデータの画像は全てトリミングを行っておりません。露出、コントラスト、シャドウ、ハイライト、カラーバランスは調整していますが、シャープネスは一切手を加えていません。また、今回も全画像すべて手持ち撮影です。

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
EOS70D タムロン 150-600mm サンプル
数羽の群れで採餌するビンズイをゾーンAFにて撮影しました。ビンズイは停止することは少なく、ほぼ常に動いている小鳥ですので、こういうシーンではゾーンAFが有効です。動きがあるのでできるだけシャッター速度を上げたかったのですが、APS-C機は高感度の画質に不安があるので、やや感度を落として枚数を切ることで対策しました。

 

最新鋭のAPS-C機でもあり、ISO800以下であれば多くの方が満足できる画質であると思いますが、1/160秒のシャッター速度では数十枚のカットを得ても3羽の動きを全て止めるカットは一枚もありませんでした。画像クリックでオリジナルデータを見ていただければハッキリ見えますが、一番写りのよかったこのサンプルでも右端の固体はブレが発生しています。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
EOS70D タムロン 150-600mm サンプル
次は失敗例です。ベニマシコの雄が良い感じの切り株の上に来てくれましたが、残念ながらピントを僅かに外しています。ここに止まっていたのは4〜5秒程度の僅かな時間でしたので、発見(1秒)⇒ フレーム導入(1秒)⇒ フォーカス(1秒)⇒ 連写(1秒)という流れで10コマ程度の画像を撮りましたが、AIサーボの1点AFでピントがしっかり来ているのは一枚も無いと言う結果に終わりました。原因として考えられるのが、縦位置グリップを使用していないのでホールディングがうまく行かずしっかりとベニマシコの中心にAFポイントをしっかり合わせ続けられなかったことがあげられます。

 

APS-C機でタムロン150-600mmのテレ側で撮影すると画角は35mm換算で960mm相当にもなりますので、手振れ補正を機能させてもファインダーの揺れはかなりのものになります。しっかりAFでピントを合わせるためにもホールディングは非常に重要だと改めて思いました。加えて『 EOS 70D 』は軽量なボディであるために更にブレ易い機材であると考えられます。タムロンのVC技術は超望遠域ではまだ発展途上の感が否めませんので、こういうチャンスを逃さずモノにするためにも、このレンズを『 EOS 70D 』で使用する場合は縦位置グリップ( BG-E14 )は必須であると言ってもよいでしょう。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
EOS70D タムロン 150-600mm サンプル
雄のそばにはベニマシコの雌が居ました。今回は横位置でもありホールディングは問題なくきっちりピントがきています。ISO感度は1250まで上がっていますが、画質はそれほど悪くないと言えるのではないでしょうか。画質優先で感度を落として枚数を切るか、チャンスを逃さないようにある程度感度を上げてしっかり撮るかは、撮影状況と撮影者の判断によると思いますが、APS-C機の高感度画質もかなり向上してきているのは間違いありません。

 

『 EOS 70D 』において筆者がオススメしたいのは、まず高感度側で抑えのカットを幾つか撮ってから、感度を落として撮影するというスタイルが最も望ましいように思います。ニコン機はISO感度変更に両手操作が必要ですが、キヤノン機は右手の操作だけでファインダーを覗きながらでもISO感度が変更できますので、このような場合でも柔軟な撮影に対応が可能です。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
EOS70D タムロン 150-600mm サンプル
近距離に来たコゲラを撮影しました。雄の証である後頭部の赤い部分もしっかりと写っています。ここまで距離が近いと、細部がしっかり見えるレベルまで大きく撮れるので600mmの焦点距離はやはりありがたいです。コゲラも常に移動をし続けることが多いので、三脚使用では撮影の難しい小鳥であり、手持ちで600mmの焦点距離を得られる当レンズと、暗くても高速のシャッター速度が切れる最新鋭のAPS-C機ならではのコラボレーションによるイメージと言えるでしょう。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
EOS70D タムロン 150-600mm サンプル
水を飲みにやってきたシロハラの雄です。感度をISO500まで落として撮影しましたが、頭部から背中の羽の質感などかなりよい描写性能ではないかと印象を持ちました。新品で揃えても20万円強の、野鳥撮影としては低価格の組み合わせである機材ですが十分に良質な写真が撮れると思います。

 

ただ、林の中での手持ち撮影でこのような動きのあるシーンでは、このレンズでは限界に近い1/125のシャッター速度での撮影でした。三脚を使用しても被写体ブレは防げませんので今回はたまたま運が良かっただけであり、本来このような場合は感度を上げて撮るのがセオリーだと思います。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
EOS70D タムロン 150-600mm サンプル
先の画像の前に撮影した、水を飲む直前のシロハラ雄です。シャッター速度は1/160でしたが、微細なブレが発生しシャープさが大きく損なわれています。APS-C機の1.6倍画角 × 600mm × 2000万画素、の組み合わせでは、被写体を大きく引き寄せ細部まで描写できる能力があるものの、その性能を発揮するには条件的な制約が大きく関わってくる印象です。嵌れば良質なイメージが得られるものの、撮影者に繊細な設定変更を要求する機材であるとも言えるでしょう。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
EOS70D タムロン 150-600mm サンプル
コミミズクの飛翔シーンを狙いました。飛びモノにおける体感的なAFの使用感としては、7Dと全く変わらず、領域拡大AFの設定がないだけと感じました。AF速度はフルサイズの 6D や 5DMark3 より駆動エンジンが劣り遅いため、迷いが発生すると取り返しが付かない状況に陥ることも多く、フォーカスリミッターを使用しないで薄暗い状況でのコミミズクの飛翔シーンは非常に困難を極めました。サンプルの画像はフォーカスリミッターを使用せず19点自動選択で撮影しましたが、ベストの位置から大きく外れ真横からやや遠ざかる状況であったためにかろうじて撮れたイメージです。※このサンプルは現像時に-1EVの露出変更をしていますので、実際にはISO3200相当の画質とお考えください。

 

フルサイズに比べて画角が狭くなる上に、フォーカス速度が遅くなるので、少なくとも薄暗い場所で背景が入るようなコミミズクの飛翔シーンにおいては、11点しかない『 EOS 6D 』の方が遥かに多くのイメージが得られました。フォーカスポイントの多さと、連写性能の高さが必ずしも飛びモノに好条件とは言えないと強く思いました。

 

タムロン150-600mmにおける『 EOS 70D 』において飛翔シーンを撮影する際は、フォーカスが捉えやすい順光や空抜けの条件であれば19点AFが有効ですが、条件が厳しくなるほどゾーンAF ⇒ 1点AF と測距点を少なくしていかないと、迷いやすさとフォーカス速度の遅さをカバーできなくなるでしょう。ただし、測距点を減らすと被写体を捉えにくくなりますので、その辺りはトレードオフの関係にあります。フォーカスリミッターは迷いを減らすのにかなり有効ですので、あえて15m以内の撮影はあきらめて『 15m ⇔ ∞ 』にリミッターを設定したほうが結果として失敗を防げます。

 

『 EOS 7D 』との比較では、ファインダーの見易さとバッファの多さで飛びモノでは『 EOS 7D 』の方がやや使いやすい印象です。特にバッファの違いは、チャンスが数秒に渡って続くようなコミミズクの飛翔シーンではかなりの違いが感じられます。ただ、高感度画質は『 EOS 70D 』がやや有利ですので、どちらが良いかというのはその時の条件次第になりますが、バッファの問題は被写体を引き付ける事で回避できるものの、高感度画質は撮影者の技術で回避しにくいので『 EOS 70D 』の方が良質なイメージを得る確立は高いと言えるでしょう。

 

 

 

※この画像サンプルは、画像クリックでフルデータを見ることができます。
EOS70D タムロン 150-600mm サンプル
コミミズクが枯れ草の陰から、もぞもぞと出てきてこれから狩に出ようというところです。背景と構図を考え、バリアングル液晶でローポジションにて撮影体勢に入り、さらにズームで画角を調整してイメージを仕上げました。軽量+長焦点距離+ズームという特性を備えたタムロン150-600mmレンズと、バリアングル液晶+高速ライブビューAFを備えた『 EOS 70D 』との組み合わせならではのイメージです。

 

これまでのキヤノン機のライブビューにおけるAFは遅すぎて三脚使用時くらいしか使用できないレベルのものでしたが、『 EOS 70D 』のデュアルピクセルAFにおける高速ライブビューAFはようやく実用レベルになったと言える機能です。タムロン 150-600mmのレンズはピント精度にやや不安がありますが、ライブビューのAFであればほぼ正確にピントが合わせられる上に、手持ちでもライブビューでスッと高速でピントを合わせることができるので、とまりもので多少余裕がある場合には抜群のピント精度から積極的に利用する価値のある機能と言えるでしょう。

 

※デュアルピクセルAFをもってしても暗所においては極端にAFスピードが落ちる場合がありますので、このような場合はマニュアルでピント位置を近似値にもってきてからAF駆動させるのが有効です。

 

 

 

『 EOS 70D でタムロン150-600mmを使用しての感想 』
タムロン 150-600mmレンズと最新鋭APS-C機『 EOS 70D 』の組み合わせでの撮影で最も強く感じたことは、600mm+1.6倍画角により被写体を大きく捉える事が容易になる反面、高画素であることによるブレ易さ+高度なピント精度が求められる事と、フルサイズ機に比べ安易に感度を上げることができないことから細かなISO感度設定変更が求められるという、ややじゃじゃ馬的な要素を感じる組み合わせだと思いました。

 

ただ、バリアングル液晶と高速ライブビューAFはこのレンズの機動力を大幅に活かせる機能であり、最後のコミミズクのイメージのようにこの組み合わせならではの写真も狙えるのは大きな魅力です。7D譲りの19点オールクロスセンサーのAFと秒間7コマの連写性能は必要にして十分で、『 EOS 7D 』より『 EOS 70D 』を選んだほうが万能性があるので多くの方におすすめ出来ます。APS-C機ですが、高感度にもそこそこ強いので思い切って感度を上げて撮影するのがこの組み合わせで良いイメージを多く得るコツです。ISO感度自動設定機能を使って、シャッター速度の最低値を1/250に設定しておくのも良いでしょう。

 

筆者の感覚では、抜群の高感度画質+高精度AFを備えた『 EOS 6D 』の方はタムロン 150-600mmの欠点であるピント精度とレンズの暗さを補ってくれるのであらゆる状況で安定して活躍してくれる印象があり、『 EOS 70D 』では軽量なズームレンズ+600mmの望遠という抜群の機動性を持つタムロン 150-600mmの長所をより伸ばしてくれるため、やや扱いにくい面はあるものの嵌ると良いイメージが得られるという感じがしました。僅かなチャンスを失敗せずしっかりモノにしたい人は『 EOS 6D 』、チャンスを増やしてとにかくシャッターを多く切りその中からベストの一枚を選びたい人は『 EOS 70D 』がおすすめです。

 

 

 

 筆者の使用している タムロン150-600mm用の ケース&ストラップ
『 タムロン SP 150-600mm F5-6.3 Di VC USD 』を使用するに当たり、筆者が実際に使用しているケースとストラップをご紹介しておきます。悩んでいる方も多いと聞いていますので少しでも参考になれば幸いです。

 

まず、ケースについてはキヤノン純正の『 ソフトレンズケース S 』を使用しています。このケースは純正の 400mmF4、300mmF2.8、200mmF2 などの超高額レンズの運搬を目的に作られており、内部クッションは厚めの低反発系の高級素材を使用していて運搬時にとても安心感があります。例えば、航空機での移動の際に貨物室への荷物として預けてもこれなら大丈夫じゃないかと思えるほどです。(※筆者は実際に機材を入れてこのケースで貨物室へ預けたことがありますが問題なしでした。ただ、万が一の事を考えると極力手荷物として機内へ持ち込むほうがより安全です。)

 

タムロン 150-600のケース

 

 

ソフトレンズケースS の外観
タムロン 150-600のケース
ケース自体はコンパクトなのですが、クッションが厚めなこともあり片側の肩で支えるショルダータイプとしては重量 1kg 弱とやや重めです。また、小物を入れるスペースはメディアやバッテリーなどの薄いものしか入りません。短いレンズなども入れておきたいのですが、パンケーキレンズである『 EF40mm F2.8 STM 』しか入れることが出来ませんでした。

 

 

続いて、リュックタイプの『 Lowepro フリップサイド 200 』 を紹介します

タムロン 150-600のケース

 

先に紹介した、『 ソフトレンズケース S 』はショルダータイプですので自家用車やレンタカーなどの車内に入れて移動する分には非常に優れているケースなのですが、電車などの公共機関で移動する方や三脚を持ち歩きたい方などにはリュックタイプの『 Lowepro フリップサイド200 』が良いでしょう。筆者もニコン用の発売が近いので追加で購入いたしました。

 

こちらは数あるリュックタイプの中でも非常にコンパクトでスリムな形状であり、2Lのペットボトルとの大きさ比較からも如何に幅が小さいかお分かり頂けると思います。肩幅より大幅に狭いので、林の中を歩く場合など木々にリュックが当たったりすることが殆どなく、極めてスムースに探鳥をする事ができると思います。

 

タムロン 150-600のケースタムロン 150-600のケース

 

150-600mmを収納するには、標準で付属している仕切りは全て外す必要があります。仕切りを外せば、縦位置グリップを装着しているボディでも収納が可能でサイズ的にはほぼピッタリです。縦位置グリップ装着時は、カメラを下にして入れたほうが背負ったときのフィット感が良かったです。また、このリュックは内側が開くようになっていて電車に乗っている時など外部から開けられる事がないように配慮がなされています。

 

三脚は、外側下部にある引っ掛ける袋のようなパーツを引き出し三脚の足を支え、外側中部のベルトを用いて三脚本体を締め付け、2点で装着する設計になっています。また、肩掛け部のベルトは良質のクッションを採用しており動きづらい事もなく長時間背負っても負担が少ないです。リュック自体も 1kg と両肩で支えるタイプとしては極めて軽量ですので、この辺りも機動性に優れる タムロン150-600 との相性は非常に良いように思いました。カメラを装着した状態で タムロン150-600mm をピッタリ収納でき、リュック自体は非常にコンパクトで軽量、さらに三脚も取り付けが可能ですので、これは非常におすすめできるケースと思いました。

 

アマゾンでは他の方の使用レビューも載っていますので、こちらも参考にされると良いでしょう。

 

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Canon ソフトレンズケース S II


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Lowepro フリップサイド200


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つづいて、ストラップについて紹介しておきます。タムロン150-600mmはこのクラスとしては軽量とはいえ、カメラ側にストラップをつけるのはマウントへの負荷が大きいので避けたほうがよいでしょう。筆者が使用しているのは『 ブラックラピッドの RS-SPORT L 』です。これは、いわゆる速写系のストラップでキャリースピードなども候補にあがりますが、『ブラックラピッドの RS-SPORT L 』はレンズを左側に下げるための専用パッドを採用しているので移動時の体への負担が少ないこと(※望遠レンズは通常のカメラと違い左手で機材を構えます)と、接続パーツがシンプルな構造なのでトラブル発生確率が低いであろうと考えた事が決め手となりました。三脚を使用する場合は接続パーツが邪魔になり付け替えが必要になりますので、キャリースピードのストラップの方が有用だと思います。

 

タムロン 150-600のケース
タムロン 150-600のケース

 

非常に高級なストラップですので値段が一万円近くもしますが、いざチャンスが訪れたときに瞬時に撮影態勢に入れるので、機動性に非常に優れたタムロン150-600mmでの野鳥撮影には最適のストラップだと思います。

 

マップカメラで R-ストラップ RS-SPORT L の価格を見てみる

 

 

 

 大きさや各部スイッチなど

 

『 タムロン SP 150-600mm F5-6.3 Di VC USD 』は大きさ的に2Lのペットボトルとほぼ同じであり重量においても同様です。 EF500mm F4L IS U + Extenderx1.4V 、  EF300mm F2.8L IS + Extenderx2.0V の両組み合わせとの大きさも比較してみました。実際に構えると体にかかる負担は非常に違いがあります。『 タムロン SP 150-600mm F5-6.3 Di VC USD 』は体力の衰えた年配の方でも手持ち撮影が視野に入れられる極めて優れた機動性を備えています。

 

タムロン SP 150-600mm F5-6.3 Di VC USD

 

 

 

タムロン SP 150-600mm F5-6.3 Di VC USD
150mm側でズームをロックするスイッチがあります。600mm側でロックすることはできません。また、ズームリングは反時計回りで望遠側に向かうのに対して、ピントリングは時計回りで遠方にピントが向かうという、キヤノンユーザーとしてはズームリングの回転方向が純正レンズの逆になっています。フードはプラスチック製の極めてコストダウンの図られた質感の低いものです。ただし、軽量であることとと遮光性能には問題ないでしょう。

 

 

 

タムロン SP 150-600mm F5-6.3 Di VC USD
フォーカスの距離計において、∞遠のひとつ手前は30mその手前が15mです。フォーカスリミッターはFullと15m-∞の二種類のみで、純正のような手前側のリミット機能はありません。15m-∞に設定するとフォーカスの移動範囲が極めて狭くなるので、相当の高速化が期待できます。15m以内に野鳥が入ることがまず無いようなフィールドでは極めて有用です。他は手振れ補正のスイッチとAF⇔MFの切り替えスイッチのみで、純正のようなAFストップボタンやフォーカスプリセットなどの高度な機能はありません。ただ、野鳥撮影でこれらの機能がなくて困ることはほぼ無いでしょう。

 

三脚座のねじ穴はひとつしかありませんが、三脚座自体は取り外しができます。また、純正の大砲レンズでは三脚座が回転する90度ごとにクリック感があるモデルが殆どですが、タムロン150-600mmの三脚座にはクリック機構は備わっていません。

 

 

 

タムロン SP 150-600mm F5-6.3 Di VC USD
外箱はシンプルながらも高級感のあるデザインです。内箱はダンボールのみが緩衝材となっており、コストダウンが徹底されています。

 

 

 

タムロン SP 150-600mm F5-6.3 Di VC USD
マニュアル等もシンプル。まぁあまり細かい説明も必要の無い機材ではありますが・・・。タムロンレンズ専用の収差補正データ等が入ったRAW現像ソフト『 シルキーピックス for TAMRON 』を無料ダウンロードするためのプロダクトキーが書かれている書類(画像右側)も入っています。

 

 

 

 筆者がマップカメラで買ったワケ

 

筆者は今回の『 タムロン SP 150-600mm F5-6.3 Di VC USD 』の購入は楽天市場のマップカメラで買いました。理由は簡単で、信頼できるお店で価格が安く、オプションの補償サービス内容が充実しているからです。このレンズはとにかく手持ちで気楽に持ち歩いて振り回したいので、オプションの『 MAP安心サービス 』への加入は絶対にしたいと考えていました。レンズそのものの金額も安く掛け金も¥6,000弱で済むので、実はプロテクトフィルターよりも安価なのです。また、マップカメラの直サイトではポイントが付かないのですが、楽天ショップだと楽天ポイントが付与されます。購入金額は変わらないしポイントは宿泊や書籍を買うなどの他、野鳥撮影に関わる以外のものでも利用できますからメリットが大きいです。

 

 

タムロン SP 150-600mm F5-6.3 Di VC USD
マップカメラの梱包は非常にしっかりしていて、エアパッキンなどの緩衝材もしっかりと詰められています。高額な精密機械であることをちゃんと理解しているショップだからこその配慮です。

 

 

 

タムロン SP 150-600mm F5-6.3 Di VC USD
実は、通販で一番怖いのが初期不良。元ショップ勤務12年の経験がある筆者は初期不良は思いのほか多いことを知っています。マップカメラでは初期不良の案内がしっかりと書面で書かれており、ちゃんと対応してくれることが明記されています。また、MAP安心サービスは補償内容では業界トップクラスで、このような気楽に持ち運ぶレンズでは是非セットで申し込みたい制度です。おまけで付いてくる買取3%アップシールは、期限がないので高額なレンズやカメラを売るときに実はかなり重宝します。最近のマップカメラは傷があっても減額しないワンプライス買取をしていることが多く、買取金額も業界トップクラスの高値です。これらの書類はいずれも重要なので無くさないように大切に保管しています。

 

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