あなたの野鳥撮影におけるレンズ選びをサポート致します

ニコン 300mm F4 PF VR 実践レビュー(D7100編)

 

AF-S 300mm f/4E PF ED VR を発売後すぐに入手できました。その後約1ヶ月間、身近な冬鳥が多いフィールド中心に撮影に赴き D7100 ( + TC-17EU )を用いて、実際に野鳥を撮影してみました。サンプルやその時の使用感をできる限り客観的にレポートをしていきますが、個人的な経験に基づいてのコメントもありますので、あくまでも一例として参考程度に読み進めて頂けると良いと思います。少しでも皆様の野鳥撮影におけるレンズ選びの参考になれば幸いです。

 

 

 D7100 + TC-17U装着 実写撮影サンプル
まずは『 TC-17EU 』を装着して撮影を行いました。AF-S&中央1点の組み合わせのみAFが有効とカタログでは謳われているセッティングですが、非常に軽量な上に800mm近い焦点距離を4.5段の手振れ補正がサポートしてくれるという、筆者も楽しみにしていた組み合わせです。それでは作例と共に使用感を述べて行きたいと思います。ちなみに、全画像全て手持ち撮影です。
※サンプルは全てトリミング無し、露出補正、輪郭強調、コントラストなど画像調整済み。

 

 

画像クリックで1200×800に拡大表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン モズ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン モズ

 

この時はモズまでの距離が20m以上はありましたが、遠距離の被写体でもシャープネスはまずまずの写りだと思います。タムロンの150-600よりはもちろんシャープですし、AF-S 80-400mm VR +TC-14EV と比べても負けることはないでしょうが、私を含め大砲レンズの写りを知っている人からすると、純正の単焦点で最新型のナノクリレンズであるならばもう少しくっきり写って欲しいというのが正直な感想です。

 

光量が多少残っている条件でしたので、手振れしないようにSSは1/250を確保しましたがISO500でもD7100はかなりノイズの多い印象があります。このレンズはVRが強力なのでしっかり構えれば1/30でもきっちり撮れます。余裕があればISO感度を落として撮るとよいでしょう。

 

モズ : 6000×4000 ピクセルのFULL画像はこちら
※7.53MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで1200×1800に拡大表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン アオゲラ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン アオゲラ

 

続いて被写体まで50mはあろうかという距離で撮影したアオゲラです。樹木に残雪があって雰囲気は抜群でした。ただ、APS-C機に1.7倍テレコンを付けてここまで遠い被写体を撮影するとどうしても野鳥はペタッとした立体感のない画像になってしまいます。シチュエーション的にとても近づくことはできませんので、撮れただけでもヨシとしなければなりませんが、こういうシーンではやはり純正大砲レンズであれば・・・という思いがよぎります。

 

口径の小さいレンズですので遠距離の被写体への立体感は期待できませんが、シャープネスはさすがに単焦点という写りはしてくれたと思います。種類がわからない野鳥に出くわしたときなどはとりあえずシャッターを切っておいて、後でじっくり調べるというのにも使えそうです。

 

アオゲラ : 4000×6000 ピクセルのFULL画像はこちら
※7.53MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで1200×1800に拡大表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン ヒヨドリ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR+1.7倍テレコン ヒヨドリ

 

ヒヨドリが間近+逆光の位置でじっとしていたので、PFレンズにおいてよく議論されるフレアのテストをしてみました。特に嘴の部分に大きな光の反射があるので、ここにフレアが出るのではないかと思いながらシャッターを切りましたが、特に気になるような現象は見られません(※フレア低減処理は行っていません)でした。

 

ただ、テレコンの影響もあるでしょうが全体としてヒヨドリの体が陰になっている部分が全体的にもやがかかったような写りをしており、コントラストを上げて引き締めましたが、これは通常のナノクリレンズよりも遥かにフレアっぽい写りになってしまっていると思います。野鳥撮影においては大きな光源ではフレアが気にならなくても、全体としてはやはり強い逆光での撮影は苦手なレンズだと思います。

 

ヒヨドリ : 4000×6000 ピクセルのFULL画像はこちら
※5.89MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

 D7100 テレコンなし 実写撮影サンプル
続いてテレコンを外して素の『 300mm f/4 + APS-C機 』という状態で撮影を行いました。1.7倍テレコン装着時は軽量な遠距離セットとしてはよいのですが、やはり周辺部のAFでなかなかピントがこなかったり、AFの迷いも頻発し更に動作が遅いので非常にイライラすることも多々ありました。テレコンを外すとどこまで状況が変わるのか踏まえてレポートします。

 

 

画像クリックで1200×800に拡大表示します
ニコン新型34VR テレコンなし ジョウビタキ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR テレコンなし ジョウビタキ

 

完全に日が暮れた時刻に、ほぼ毎日このジョウビタキ雌はこの枝にとまります。恐らく塒が近くにあるのでしょう。あらかじめ、撮影ポジションを決めておいたのでしゃがんだままじっと彼女がやってくるのを待ちました。

 

この時は、日没後で暗かったこともあるのですが、テレコンを外していてもAFがかなり迷いました。-2EV対応のAFシステムじゃなかったっけ?と思わず自分の記憶を疑うくらいピントがなかなか来ません。AFスピードもテレコンなしな割には想像以上の遅さ(キヤノン機 + 純正レンズならこの程度の暗さではここまで遅くならないという印象)で、ジョウビタキが飛び立ってしまわないかとかなりイライラしていました。D7100は周辺部の測距点が非常に使いにくく、純正レンズでも中央に近い(出来れば中央15点のクロスセンサー)測距点を使うのが望ましいカメラです。

 

後にD800Eの作例でもお話しますが、APS-Cの1.5倍望遠効果というのはセンサーの話であってAFシステムにはむしろより条件が厳しくなるという事が言えると思います。測距点のひとつひとつがフルサイズのカメラよりも相対的に大きくなるので、このような小さい被写体にピンポイントでフォーカスを当てるのが難しいのでしょう。キヤノン機のようにスポットAFのような1点のフォーカスポイントをより小さくするようなシステムがニコン機にも欲しいところです。欲を言えば外側にもクロスセンサーが欲しいので時期モデルでの改善を期待しています。

 

ただし、手振れ補正の効果はとまりものではさすがの性能を発揮してくれました。日没後の暗い条件でISO800以下で手持ち撮影が出来るのは非常に撮影の幅が広がります。

 

ジョウビタキ : 6000×4000 ピクセルのFULL画像はこちら
※9.18MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

画像クリックで1200×1800に拡大表示します
ニコン新型34VR テレコンなし クイナ

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します
ニコン新型34VR テレコンなし クイナ

 

D7100での最後の作例はクイナです。この時はこのレンズの機動性が発揮されました。クイナという野鳥はほぼ常に茂みの中に居て姿が見えづらいのに加え、非常に警戒心が強いです。この新型34VRは非常に軽量なレンズなので、筆者はそれを活かして胸元でレンズを前に向けて構えながらとてつもなくゆっくりとフィールドを歩くことにしました。

 

こうすることで、野鳥がこちらを警戒する前に足音などで被写体を発見しそのまま撮影に移ることができます。機材をストラップでぶら下げていたりすると、野鳥を発見しても構える動作でクイナに警戒されてしまうので、胸元でレンズを前に向けながら歩くことが非常に有効ではないかという考えがあったのです。タムロン150-600でも構えながら歩くというのは体力的に相当厳しい動作なのですが、新型34VRなら体への負担を極力減らしてそれが出来るのです。

 

結果はご覧のとおりです。5m近くまでクイナに警戒されることなく近接しテレコンなしの状態で撮影が出来ました。手前に葦の草がかかりましたが、少しづつ動くことでクイナに警戒されず空いた隙間まで移動し撮影できたのも三脚使用などでは到底難しい事です。D7100とこのレンズの組み合わせは筆者の中ではやや印象が悪かったのですが、この時は駆動ミラーが小さいAPS-Cならではの静かな連写音が効果的でした。クロスセンサーで被写体をできるだけ捉えるように構図を考えながら、SSは動きが大きいので1/250を確保。何とか止まって欲しいと向こうに居なくなるまで連写し続けました。

 

感度が高いので画像は荒れていますが、これだけ近距離で撮影できるとさすがのシャープネスと立体感のある映像が得られます。このレンズはとにかく軽量と言われていますが、野鳥撮影ではその機動力を被写体に近接することに活かすことが、最もこのレンズらしいイメージが得られるのではないかと思います。

 

クイナ : 4000×6000 ピクセルのFULL画像はこちら
※7.48MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

 

 D7100 で新型34VRを使用した感想
これまで、当サイトでタムロン150-600等の作例をご覧になられた方には、今回の組み合わせはよい作例が少ないと感じた方もいらっしゃるかと思います。実は、購入した当初からずっとD7100とD800Eを両脇にぶら下げて、レンズをとっかえひっかえしながら撮影していたのですが、次第にD7100を使わなくなってしまい作例自体も殆ど撮れていない状況だったのです。

 

最大の理由は不安定かつ低速なAFによるものですが、1.7倍テレコンを使用するとAFポイントが中央付近しか有効に機能せず、テレコンを外すと野鳥が小さくて相対的にフォーカスポイントが大きくなるAPS-C機ではこれまたAFが有効に機能しないというものでした。これは1.4倍テレコンを使用したなら大きく印象が変わってくると思いますので、D7100でこのレンズとの組み合わせでは野鳥撮影では使えないということではありません。

 

ただ、1.4倍テレコンでこのレンズのAFが有効に使えたとしてもレンズ自体は420mmの焦点距離にしかなりませんから、レンズ+テレコンで30万円近い出費をするならタムロンや新発売となるシグマの150-600mm+D750辺りのカメラを購入するほうが、野鳥撮影における汎用性が高く多くの野鳥カメラマンにはこちらの組み合わせの方が満足いただけるかと思います。

 

D800E編では野鳥写真そのものとしても比較的魅力のある写真をご用意しておりますので、どうかそちらもご参照ください。

 

 

 >>>> ニコン 34VR 性能テストへ

 >>>> ニコン 34VR 実践レビュー(D800E編)へ

 >>>> トップページへ戻る


sponsored link