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USB DOCKでAF速度アップ!

 

2016年3月11日、シグマより「 150-600mm Sports および Contemporary」のキヤノン/ニコン用に最新ファームウェアが提供されました。アルゴリズムの改善によりAF速度が約20%〜最大50%向上するという内容で、野鳥撮影においては非常に魅力的なファームアップです。

 

 

ファームウェア更新は別売の SIGMA USB DOCK を用いパソコンから行えますので、早速 USB DOCK を入手してファーム更新を行いました。ファームアップ前後でのAF速度比較を行いましたので、参考になれば幸いです。

 

シグマUSBDOCKファームアップ
ファームアップ中…更新は僅か数分で終わりました

 

 

 

 

 オートフォーカス速度比較
テスト当日は濃い曇天で日中からかなり暗く、AF速度が低下しやすい条件下で行いました。
シグマUSBDOCKテスト

 

 比較レンズ(状態)

  • シグマ 150-600mm コンテンポラリー(ファームアップ前、カスタマイズ無し)
  • シグマ 150-600mm コンテンポラリー(ファームアップ前、AF速度優先カスタマイズ)
  • シグマ 150-600mm コンテンポラリー(ファームアップ適応後、カスタマイズ無し)
  • シグマ 150-600mm コンテンポラリー(ファームアップ適応後、AF速度優先カスタマイズ)

 

 使用カメラ

  • EOS 5D Mark3
  • EOS-1D X

 

 比較条件
部屋の中からこれまでも使用していた解像力テストで用いた50メートル先にある標識の文字にピントを合わせる速度を比較する。フォーカスはあらかじめ一番手前の位置に持ってきておいて、そこからAFスタートとストップウオッチのボタンを同時押しして計測を開始。ピントが合ってピピッという電子音が鳴り終わるタイミングで計測をストップする。計測は各組み合わせで10回ずつ行い平均値を算出する。フォーカスリミッターは使用せず、どのレンズもFullフォーカスの状態で使用。ONE SHOTで中央1点AFの測距点を使用する。

 

 

それでは計測結果です!(計測10回の平均値)

 

 EOS 5D Mark3

  • ファームUP前 標準     : 平均 1.17秒
  • ファームUP前 速度優先   : 平均 1.03秒
  • ファームUP後 標準     : 平均 0.94秒
  • ファームUP後 速度優先   : 平均 0.78秒

 

 EOS-1D X

  • ファームUP前 標準     : 平均 1.13秒
  • ファームUP前 速度優先   : 平均 0.97秒
  • ファームUP後 標準     : 平均 0.94秒
  • ファームUP後 速度優先   : 平均 0.78秒

 

 

結論としては、メーカーの公表どおり約20%の速度アップが確認できました。今回は暗い曇天でのテストでしたので晴天であれば更なる速度アップも見込めるかもしれません。EOS 5D Mark3 と EOS-1D X でほとんど差が無いのはサードパーティーの宿命かもしれませんが(純正大砲レンズでは EOS-1D X のAFが速くなります)、この組み合わせで使用される方は余りいらっしゃらないかと思いますので、大きな問題とはならないでしょう。

 

ファーム前の標準設定とファーム後の速度優先カスタマイズ設定では、まるで別物のようなAF速度の違いがありますので、野鳥撮影をされる方でシグマ 150-600 をお持ちの方は USB DOCK の購入をためらう理由は皆無です。ちなみに手振れ補正の効き具合も変更(ダイナミック設定)しましたが、こちらも純正にかなり近いファインダー像を得る事が出来ましたので今後は常に『 AF速度優先 + OSダイナミック 』の設定で使用することになると思います。

 

シグマUSBDOCK

 

 

 

 

 

AF速度の高速化を実感!

 

実際に、野外の撮影にてAF速度高速化の恩恵を受ける機会がありましたので、サンプル画像と共にレポートさせて頂きます。

 

サギが5メートル程度の近距離で小魚を捕っていました。ここまで近いと獲物を捕る際の頭部の動きで、ピント位置が大幅に変わりますので、筆者のこれまでの経験からするとサードパーティレンズのAF速度でとても狙えるような動きではありませんでした。ただ、今回のファームアップ+AF速度高速カスタマイズにすればある程度追従できる可能性があると思いチャレンジした結果が今回のサンプルです。

 

画像クリックで長辺2400pixに拡大表示します(シャープネス処理済)
シグマ 150-600 Contemporary AF速度

 

 

 

ピント部:画像クリックで等倍表示します(シャープネス処理していません)
シグマ 150-600 Contemporary AF速度拡大画像

 

 

今回の撮影手法としては、構図的にまず縦位置でファインダーを覗きます。基本的に左右・正面などどこに首を突っ込むかはわからないのですが、一番撮りたい手前側に首を突っ込むのをイメージして準備します。先に頭部にピントを合わせたあと、やや手前側にMFでピント位置をあらかじめ移動しておき61点の下側にAFポイント(Case6+領域拡大9点)を設定、突っ込んだと思った瞬間にAF駆動⇒レリーズです。

 

厳密に精査すると、嘴にピントがあり獲物の小魚はほんの少しフォーカスアウトではありますが、撮影チャンスの少なさ(手前側に突っ込むケースは思いのほか少ない)を加味するとこれ以上の精度を求めるのは回数をこなす必要が相当にあると思います。

 

AFの速さ正確さだけではなく、レリーズラグの短さも揃わないと撮れないシーンかと思いますが、これだけの近距離でサードパーティのレンズで決定的な瞬間をAFで撮れるとは思いませんでした。

 

 

サギ : 3456×5184 ピクセルのFULL画像はこちら
※コントラスト、露出、カラーバランス調整済みですが、シャープネス処理はしていません。
※3.00MB程度の非常に重いデータになりますので閲覧にはご注意ください。

 

 

 

筆者はかなりこのレンズを気に入っており、購入から一年になろうとしていますが、キヤノン機を持ち出すときの稼働率は純正大砲レンズを凌いで非常に高い(ニコンを使うときは34VRがメイン)です。タムロン150-600に劣る点はMFがしずらいところと、重量バランスの問題で600mm側で構えるとやや重たく感じるというくらいで他はほとんど全てシグマ150-600が勝っています。初心者からベテランまで持っていて損の無いこのレンズ、USB DOCK と合わせて使用頂く事を強くオススメ致します。

 

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